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zoom RSS 『インテリア』

<<   作成日時 : 2005/05/26 21:59   >>

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先日、『さよなら、さよならハリウッド』を見て以来、
頭の中がウッディ・アレンモードになっています。
ということでこないだ録画しておいた、
『ギター弾きの恋』でも見ようかと思ったのですが、
前にも見た作品だし、いつでも見れるので、
今日はあえて近所のTSUTAYA(過去二度傘盗難被害経験有)に行って、
まだ未見だった古いアレン作品を借りてまいりました。

ところで前にも書いたことなのですが、
いつもアレン作品のレビューを書く際、とてもすっきりしない点があります。
それは、

『果たして「ウッディ・アレン」なのか、「ウディ・アレン」なのか』

という問題。
私としては普通にしゃべる時、「ウッディ・アレン」と言っているので、
このブログに書き込む時もこれまで、「ウッディ・アレン」と表記してきましたが、
さっきBIGLOBEで検索かけてみたところ、
「ウッディ・アレン」での検索結果が、約3050件。
これに対して、「ウディ・アレン」での検索結果は、約16900件。
なるほど、世間はウディ・アレンが優勢な模様。

んー。


納得いきません。


じゃあさ、じゃあさ、みんな聞くけどさ、
みんな日常会話で、
「ウディ・アレン」って言いますか!?
「ウディ・アレン」って!
「ウッディ・アレン」って言うでしょう!
ジンガイならともかく、日本人が「ウディ・アレンの映画は・・・」なんて言ってたら、
私はそいつが席を立っている隙に、そいつのふで箱を物色して、
そいつが使ってるシャーペンの芯を全部抜き取って、
自分のシャーペンに全部移しかえてやりたいですよ!
そのうえそいつの消しゴムの反対側の角も使って丸くしてやりたいです。

…おっと、ちょっとワイルドな一面を見せてしまいましたね。
そんな極悪非道な男じゃないですよ。例えばの話です。

さてちょっと落ち着いて、
ジェントルマンらしく今日もレビューを書きたいと思います。
今日取り上げる映画は、

『インテリア』


こんな記事の前ふりとは正反対の、
重厚でいて静寂であふれた、緊迫感のある映画です。
前評判どおり、他のウッディ・アレン映画とは一線を画していると思います。

裕福な三姉妹。
実業家の父・アーサー。母・イブはインテリアデザイナー。
長女・レナータは詩人、次女・ジョーイは作家、三女・フリンは女優の三姉妹。
すでに独立して、それぞれの生活をおくっている。
しかしある時、父親が母親に別居を申し出る。
完璧を好む母の生き方から解放されたかったのだ。
母はショックを受け、自ら家を出る。
このことがきっかけで、幸せに見えた家族の肖像が音もなく静かに崩れていく。


非常にに繊細な作品。
いつものようなウッディ・アレンコメディを期待すると痛い目を見ます。
でもこの繊細は、これまで見てきたウッディ・アレンコメディの中で、
私は随所随所で感じてきました。
そのセンシティブさが結集された作品。
人によってはこの映画を、「アレンのガス抜き」と位置づける人もいるでしょうが、
言葉こそ悪いものの、あながち間違っていないような気もします。

母は完ぺき主義者。
娘の家に行っては、部屋の装飾を強引にかえたりするなど、
自分の好む理想を家庭や家族にまで持ち込みます。
この映画、BGMが全編にわたりまったく使われてません。
出てくる役者も三姉妹と父母、そしてその長女と次女の夫ともう一人だけ。
母親が理想とする、無駄のないインテリアと生活スタイル。
静寂の中での、限られた登場人物。
一見全体を通して非常に単調で生命感のない作りでありながら、
逆にそれが人間臭さをよりシンプルに描写して、
強烈な閉塞感を作り出しています。

なにか登場人物すべてが、大きな鳥かごの中で飼われているようなイメージ。

父と母の関係以外にも、さまざまな感情が渦巻いています。
次女は長女の才能に嫉妬しているし、
父は長女よりも次女の方を可愛がっていて、長女はそれをよく思っていない・・・。
これらの感情は、母親の理想の中で抑え込まれていたのです。
しかしなんとかぎりぎりのところで、綱渡りのように保たれていたその均衡は、
父の母への別居の提案により、堤防が決壊するように崩れ始めます。
そしてその決壊は、「もう一人」
父の新しい妻、パールの登場によって決定的なものとなります。

このパールの登場のさせ方がいかにもアレンらしいです。
インテリである家族とそこらのおばちゃんといった感じのパールとの対比。
後半の海岸のシーンで、
この新しい母親と次女の間で印象的なシーンがあります。
あのシーンのとらえ方もかなりむずかしいです。
新たな人生へ切り替わった瞬間なのか。
それとも重い十字架を背負ってしまった瞬間なのか。

このシーン、はっきりとアレンがどういう意味をこめて入れたシーンなのかわかりませんが、
私は単純にこのシーンは、「はっきりしてないシーン」でいいと思います。
実際の生活もそんな白黒はっきりしてなくて、
とても曖昧でグレーな部分が大半です。
それをアレンは表現したかったんじゃないかなと。
実に「微妙」なシーンです。

アレン自体も、あまりはっきりしない人で、
そしてはっきりさせたくもない人だと思います。
彼にとってそういうことはナンセンスなのでしょう。
『アニー・ホール』でアカデミー取った後にこの作品を発表したのも、
『アニー・ホール』という作品にしばられたくない部分があったのかも。

ちょっと違いますが、
前に一青窈が『もらい泣き』でブレイクした後に、
『金魚すくい』とか『江戸ポルカ』とかかなり変化球の曲を出しましたが、
それについてのちに彼女は、
「とにかく『もらい泣き』のイメージを消したかった」
と語っていました。
これも同じ気持ちじゃないでしょうか。
縛られたり、閉塞したりすることは芸術家はとても嫌うようです。
すごく理解できます。

だからこの作品は、確かに『ガス抜き』なのです。
でもただの『ガス抜き』で収まらず、
それと同時に社会のファジーな部分を表して、
きっちり自分の考えもさらけ出しているところがすごいです。
最後のラストシーンは、頭から離れないシーンとなるでしょう。

ちょっとそれてしまいましたが、
基本的にこの映画、暗いので一般の方がさくっと見る映画ではありません。
見る前に覚悟がいる映画なので、
このレビューを見て興味を持った人のみ見てください。
そして見てみて、「いいな」と思った人は、
私と多分とても仲良くなれると思います。
ファミレスで数時間話せる自信があります。ドリンクバーで。
フライドポテトすら頼んでいいと思っています。
まぁ、ノーサンキューな人でも仲良くなる人は仲良くなりますが。


(ああ、なんだか長い文章になってしまいました。
次回からこんなことはないようにします。
でもこんだけいろいろと考えてしまう映画なのです。)

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内 容 ニックネーム/日時
uchi-aぶろぐさん、こんにちは。
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吉沢
2010/09/08 19:13

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