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zoom RSS 『道』

<<   作成日時 : 2006/02/22 20:36   >>

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画像ようやく先日、
今年に入って初めて、地元のTSUTAYAで、
DVDを借りてきましたよ。
半額期間であることをいいことに。
オンラインクーポンを店員に見せ付けてやりましたよ。
勝ち誇った顔で見せ付けてやりましたよ。
そしたら「はい、結構です。」って言われましたよ。
なかなか相手も手ごわいですよ。


ということで今回は2本借りてきました。
そんな見る時間もないので。
その中の一本を昨日見ました。
その映画とは、ある巨匠の名作です。
教科書的作品です。『国語U』です。
それは、


フェデリコ・フェリーニの名作、『道』。


いいですね、フェデリコ・フェリーニ
フェリーニという名前だけで、
十分アーティスティックなのにもかかわらず、
その前にフェデリコまでついてくる始末。
容赦ないです、フェデリコ・フェリーニ

しかもタイトルが『道』。原題が、『ラ・ストラーダ』です。
つまり、『フェデリコ・フェリーニ』の『ラ・ストラーダ』ってわけなのです

こんなのイタリア料理屋のメニューとかにあったら、こわくて頼めません。
だっていくらするかわかりませんもん。相当高そうです。
きっとこのメニューには、ポルチーニ茸が入ってますね。
勘ですけど。ポルチーニ茸なんか見たことないですけど。
イベリコ豚も入ってますね。
こうなったら船越栄一郎にゴチにでもなるしかありません。
だってイベリコですもん。


さて本題ですが、
この映画、そんなヴォーノヴォーノな作品ではありません。
実に深くて、独特の雰囲気を持った映画なのです。
さすが名作といわれるだけある作品です。


貧しい家の娘で、故郷を出たことがない世間知らずのジェルソミーナ。
ある日彼女は、姉ローザの死をきっかけに、
旅芸人・ザンパノにひきとられ、
助手となって各地をまわりはじめる。
しかしザンパノはジェルソミーナを妻にすると、
金がたまっては行く先々で女を追い回す。
ほったらかしにされるジェルソミーナ、
脱走を試みるも連れ戻される。
そんな二人の前に綱渡りが得意の芸人が現れる。
彼はジェルソミーナに力強い励ましの言葉をあたえるが、
一方でザンパノを古くから知っていて、
いつもザンパノをからかって遊ぶ。
ザンパノは怒って・・・。



今回はじめてフェリーニの映画を見たんですけど、
少なくともこの映画を見た限りでは、素晴らしいです。
一見すごく浅いんですが、考えれば考えるほど深くなる映画。
そしてとても、『謎』の多い映画です。


言葉や情報が少ない分、世界が無限に広がっていきます。
この情報の少なさが、この映画の根幹でしょう。
まず最初は完全にジェルソミーナ側からの話なんです。
唯一の働き手である長女・ローザを失った母とその娘たち。
その次女と思われるジェルソミーナが、
旅芸人ザンパノに、形として売られる感じ・・・なのですが、
まず、この母親とザンパノのそもそもの関係がよくわかりません。
長女もザンパノのもとで働き、そして亡くなったようで、
にもかかわらずまた母は、ジェルソミーナをザンパノに預けます。
ここがまずわからない。


普通、男に娘をあずけて、その娘が死んだと言われたら、
こわくて二度とその男に娘をあずけようとは思わないはずです。
いくら金が欲しかったとしても。
でもこの母親はあずけるんです。
多少は迷っている様子でしたが、
映画の冒頭の中でも言ってましたが、
二度と娘に会えなくなることも承知な感じでした。
そのへんがとても謎。
なにか弱みでも握っているのでしょうか。


その後、その長女の死に関して、
ジェルソミーナはザンパノにたずねるのですが、
ザンパノはその質問をはぐらかして、
これもはっきりとした答えが出ません。これも謎。
ザンパノと長女の関係も謎なのです。


この謎加減が、私には実に絶妙に見えました。
ジェルソミーナはずっと生まれ故郷で育ってきて、
はじめて別の社会に飛び出すわけで、
そんな人から見たら、社会はすべてが謎だらけなはず。
そのへんの謎加減を、「情報を減らす」という手法によって、
見事に表現していると思うんです。
たぶんフェリーニもそれを狙ったんだと思うんです。私の考えではですけど。
そう思ったんでしょう、ポルチーニ茸でも食いながら。
イベリコ豚に乗りながらポルチーニ茸食って。
ズッキーニ畑の中でね。フェリーニが。



勘ですけどね。



あ、ちなみにそのジェルソミーナは、
ずっと「誰かに似てるなぁ」と思って見ていたんですが、
途中でわかりました。
すごく松本明子に似てます。
すんごい似てます。
画像ちなみにこのジェルソミーナを演じている女優さんは、
フェリーニの奥さんだったそうです。


このジェルソミーナ、すごく健気というか、
頑張り屋さんなんです。
不器用ですが、不器用なりに頑張るんです。
この健気さと明るさが、後半ドカーンと効いてきます。


そして後半からエンディングにかけて。
ネタバレはしない人なので慎重に語りますけど、
とりあえず最後は、ザンパノ側になります。
このへんの移り変わりが自然ですごい。
そしてエンディングはとても印象的なシーンなんですけど、
このシーンも考えれば考えるほど、
いろんな見方ができるエンディングです。
そのいろんな見方を具体的に言うなら、
それは、『ザンパノに対する「同情」と「嫌悪感」』というところでしょうか。


個人的に私がこのエンディングを見終えて思ったのは、

「こういう経験、前にもあんたしたんじゃないの?
 あんたはいつも(前回も)それの繰り返しなんじゃないの?」


ということ。
そして私は、その後のエンドレスでループな最悪の展開も考えてしまい、
かなり怖くなりました。
考えすぎでしょうか。
ここまで考えるやつは私だけでしょうか。
とにかく最後は、あの母親の悲しみの顔が浮かんできてしまいましたね。


ザンパノをからかう綱渡り芸人も結構重要人物ですが(尾藤イサオ似)、
この人も、なぜあそこまで執拗にザンパノをからかうのかもわからないし、
でもどこかでザンパノのことを愛しているようにも見えるし、
このへんもすごく気になります。
ジェルソミーナとこの綱渡り芸人(尾藤イサオ似)が語り合うシーンは、
この映画の中で唯一の心温まるシーンかも。


おそらくこの映画を見終わると、
ジェルソミーナの無邪気な笑顔と、
「ザンパノ〜!」という声が頭の中をぐるぐると回ることでしょう。
そしてモヤモヤっと残るすっきりしない気持ち・・・。
ザンパノという男の素性、
さらにジェルソミーナのザンパノへの気持ちは、いったいどうだったのか・・・。
とにかく謎ばかりで、『答えはこの映画を見ているあなたにゆだねられてる』、といったところ。
実はこういうスタンスの映画って、私は「逃げ」な感じがして、
あまり好きではないですが、
この映画の場合、根本的な切り口が、
「世間知らずのある女の子の物語」という点で、
この映画に関してはアリだと思います。うまいです。ヴォーノです。


そんなファジーで複雑な心情になる映画ですが、
ただひとつ、この映画を見終えて私がはっきりと思ったことは、

「みんな自分のことをなにも考えていないように見えて、
実際はいろんな人がいろんなことを思っている。
でも本人はそれになかなか気づかない。」


ってことでしょうかね。
結局はこの世の中は謎だらけってわけですな。


このへんは私もよくわからないですね。
そもそも今私はこの記事を書き終えましたけど、
果たして「この記事がどれくらいの面白いのか」とか、
「どれくらい私の感想がみなさんに伝わっているか」とか、
さっぱりわかりませんし。
途中のポルチーニ押しも、
果たしてどれだけの笑いを生んでいるのか、さっぱりわからないですよ。
空をつかむような感じです。
そんな感じで、この世は謎だらけなんです。むずかしいやね。

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2006/04/09 18:45

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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
ヴォーノヴォーノに笑わされましたw
フェデリコにアコースティックさを求められる辺りさすがです。
本題の映画ですが、とても興味深いですね。
見てみたいです。
TSUTAYAにGOGOですね♪
せぶん
2006/02/22 20:45
せぶんさん、どうもです!
この映画、いい映画ですが、
暗い気持ちになることは確かでしょうかねぇ。
ちょっと注意してくださいな。
ヴォーノヴォーノな感じではないです(笑)
uchi-a
2006/02/22 21:16
このビデオ!
観ようと思ってたのに、貴女のせいで真面目に見れなさそうです。
どうしてくれますか。笑

あ、はじめまして。マサと申します。
よろしくおねがいします。なかなか、面白いサイトなので気に入りました。なんで上からの物言いやねん。ごめんなさい。
マサ
URL
2006/02/23 17:44
マサさん、お褒めの言葉ありがとうございます!はじめまして!
この映画に興味を持つ時点で、
結構なポテンシャルでいらっしゃるようですね(笑)
ちょっと時間を置いてみることをおすすめします☆
また遊びに来てくださいな♪
uchi-a
2006/02/23 23:48
はじめまして。パルといいます。
一年以上まえの記事にコメントごめんなさい。
私にとって「道」は印象に残った映画No.1のひとつなのですが、気分が暗くなるので何度も観れませんねえ。
ところで、記事にある「みんな自分のことをなにも考えていないように見えて」の自分とは、自分自身?それとも相手(他者)のこと?で悩んでいます。ええ、そりゃもう、悩んでいますとも。
できれば教えてやってください。
それから、「こういう経験、前にもあんたしたんじゃないの?
あんたはいつも(前回も)それの繰り返しなんじゃないの?」
恋愛で同じような失敗を繰り返してしまう私の心にもグサリと届く、とても面白い記事でしたよ。
パル
2007/03/30 05:40
パルさん、はじめまして!
一年前でも全然大丈夫ですよ!
私もいい映画だと思いますが、
すすんで何度も見る感じの映画ではないですねぇ。

「自分のことを…」のことですが、
私は自分自身という意味で使いました。
ちょっと混乱させてしまってすいません。
おまけに悩ませちゃって(笑)
でもその逆も成り立つ気もしますけどね。後付けですが(笑)

「前にもあったんじゃないの?」は、すごく率直に思ったんですね。
映画的にはあれがエンディングですけど、
実際はその前にも、その後にもいろんな出来事があるわけで、
それをいろいろ考えると、そう思っちゃったんです。
特にこのザンパノという男にはそう感じました。
でも実際には、こういう経験で考えが変わったり、
成長したりする人の方が多いんだと思いますよ☆

あたたかいコメント、ありがとうございました!
uchi-a
2007/04/03 10:27

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