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zoom RSS 『博士の異常な愛情〜または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか』

<<   作成日時 : 2006/02/27 14:15   >>

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画像先日DVDを2本借りて、
1本はフェデリコ・フェリーニの『道』でした。
そしてもう1本が、今日ご紹介するこちら。


『博士の異常な愛情〜または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか』



あーあー、もうちょっと字でかくすると、
威圧感強すぎてダメだ。
『博士の異常な愛情〜または私は如何にして心配するのをやめて水爆を愛するようになったか』
です。
一般的に『博士の異常な愛情』で十分通りますが、
フルネームフェチな私としては、全部書かないと気がすみません。
ちなみに借りたもう1本はが『道』ですから、すごいジョイントです。
『ピ』『the end of genesis TMR evolution turbo type D』が、
ジョイントライブするようなものです。この借り方は。


さて、この映画は、
スタンリー・キューブリック監督で、
主演はピーター・セラーズ
私の愛する関根勤さんが大好きなコメディアンです。
私はピーター・セラーズという俳優を知ってはいるものの、
実際に出演映画を見るのは初めて。
今レンタルで、『ライフ・イズ・コメディ〜ピーター・セラーズの愛し方』という映画が並んでいて、
みたいなと思っていたのですが、
肝心の本人に関してほとんど知識なしだったので、
「これを見るためには本人の映画を見ねば!」というところが、借りたきっかけ。
あと街の噂で、「この映画はいいよ」という話も聞いていたので、
是非見たいと思っていました。


アメリカ空軍のリッパー将軍が突然独断で、
自らの部下達に、ソ連攻撃の『R作戦』を命じた。
基地は完全に閉鎖され、水爆をつんだ戦闘機も、
基地との交信のみに制限された状態に設定され、
ソ連の攻撃目標へと突き進んだ。
アメリカ・ペンタゴンでは、大統領をはじめ、
事態をどうおさめるかを激論。
こうなった以上、ソ連に総攻撃をかけるしかないとの意見も出たが、
結果、ソ連にアメリカ機を撃墜するように働きかけることに。
ソ連はその時、ひそかに抑止のため、
「皆殺し兵器」という名の核兵器を保有していた・・・。



緊迫した話ですね。
緊迫した話なのですが、
内容は、ピーター・セラーズのやりたい放題です。
まずそもそも、この映画の中でピーター・セラーズは、
『リッパー将軍の副官として派遣されたイギリス将校』
『アメリカ大統領』
『国防省の会議に登場するドイツ人博士・DR. STRANGE LOVE』の、
なんと3役を演じています。
この3役、『イギリス将校』はイギリス人らしい堅い感じのヒゲの将校で、
『アメリカ大統領』はつるっぱげ、
そして『DR. STRANGE LOVE』は、
いまだにナチス崇拝傾向がある、過激な車椅子の博士と、
すべてまったく違うタイプで、
ピーター・セラーズはこれらを見事に、ピーター・セラーズ色で演じきっています。


画像特にこの中でも、
『DR. STRANGE LOVE』のピーター・セラーズは最高です。
この車椅子の博士、かなり過激な思想をとなえたりするのですが、
そんな考えを言いながら、さらにしぐさとか細かい発言の中にも、
今はアメリカに従事しているにもかかわらず、
ヒットラーへの崇拝っぷりもうかがわせて、
このへんがとてもうまいです。


『DR. STRANGE LOVE』は最初、右手がマヒしているように見え、
タバコを右手の指に挟むとなかなか取れずに、
左手で力を入れてもぎ取るシーンとかあるんですけど、
その後この博士、大統領のことをうっかり、
「総統・・・、あ失礼しましたMr.president。」
と言ったと思えば、
終いにはマヒしていると思われた右手が、
本人の意思とは別に(?)、勝手に力強く「ハイル!」状態になったり。
注意深く見ていないとわからないとこなのですが、
このへんのアクションがパワフルです。
今で言うとジム・キャリーっぽいです。
このへんは、もし『DR. STRANGE LOVE』の思想が瞬時にはわからなかったとしても、
このアクションだけでも十分笑えるくらいの代物です。
終いにはそんな自分の右手を、左でガンガン殴って気絶させたりして最高です。


ちなみに私は一度見終わった後、
細かいセリフの深い意味がまだ理解できずに、
ネットに出ているストーリーとかを調べて、
「ああ、あれはそういうことか!」と納得。
そしてもう1回見てみました。
たぶん米ソ冷戦期やヒトラーに実感がない現代の日本人が見ると、
ちょっとその時の各国の関係は遠い存在なので、
そのあたりを細かいニュアンスを1発で理解するのはなかなか困難かも。
でもその分、見れば見るほど面白くなってくるんですけど。


画面も白黒だし、ピーター・セラーズを見たことがない人からしたら、
肝心の1人3役もちょっとわかりづらいです。
私は見る前に「ピーター・セラーズが何役もやっている」という情報のみで見たので、
「ひょっとしたらこの人もピーター・セラーズ!?」とか思って、
全然ピーター・セラーズじゃない人までピーター・セラーズかと一瞬思ってしまいました。
セリフのひとつひとつも比喩的な表現も多くて、
このへんはやっぱり、ある程度の予備知識が必要な映画かもしれません。
ネタバレしない程度に。

とりあえず、

「当時は米ソ冷戦期で、
博士がドイツ人で、今だヒトラー派。」


ということをよく覚えておけば、楽しめると思います。


ただ映画のスジとしては、決して笑えない内容です。
核抑止の怖さとか、政治と軍の関係とか、
ものすごく重いテーマを扱っています。
でもそれらの素材を怪優・ピーター・セラーズは見事にブラックユーモアにかえて、
立派な喜劇にかえてみせています。
それを象徴しているのが、最後のセリフ。


「総統!歩けます!」


これは素晴らしいセリフなので、ぜひ見てほしいです。
アホアホさと狂気な部分が交差して、
「参りました」「やられた」と言う感じです。
そしてその後のエンディングもうまいんです。


ということでセリフとかを咀嚼する時、結構頭使う映画ですので、
あまり疲れてる時や眠い時には見ない方がいいかもしれませんが、
ブラックで理屈っぽいコメディが見たいという時には是非おすすめしたいです。
そして見てみると、当時の世界情勢も少しうかがい知ることができるでしょう。
あと映画に出てくるタージドソン将軍(ジョージ・C・スコット)は、
若干、故成田三樹夫さんに似ているので、そこもチェックしてみてください。
成田三樹夫さんのことも、少しうかがい知ることができるでしょう。
でも、なにより『DR. STRANGELOVE』はすごいです。
最終的にこの映画は、すべてこの博士のものになります。


ちなみにこの邦題、『博士の異常な愛情』は、
この博士の『DR. STRANGELOVE』という名前を誤訳したもの。
あえて誤訳したのか、それとも天然なのか。
おそらく狙ったんでしょうが、結果的にハイセンスです。

画像














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