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zoom RSS 『群衆』

<<   作成日時 : 2006/04/07 23:41   >>

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画像最近本屋とかでよく売っているのが、
『500円DVD』。
『市民ケーン』とか『風と共に去りぬ』とか、
とっても古い映画が大変お安い値段で売っております。
なぜあんな安いんでしょうかね。
古い映画だから、版権云々で安くなるんでしょうか。
商業的ですんごいつまらないのに、
平気で3000円くらい取る最近の映画も少なくない中、
実に良心的な価格です。
反面ちょっと安っぽくみえてしまうので、
そのへんは微妙ですが。


そんな中、私も先日500円DVDを買って見ました。
買ったのは、『群衆』という映画。

画像















なぜ買ったのかというと、
うちの母がこの映画に出ている女優・バーバラ・スタンウィックが好きだから。
プレゼントがてらに買って、ついでに自分も見てみました。


地方新聞の記者・アン(バーバラ・スタンウィック)は、
経営陣の交代によるリストラにあってクビを通告される。
彼女はやけくそになって、刺激的な嘘の記事をでっちあげ、
それを新聞に載せる。
その内容とは、
『「この世の中への抗議として、
市公会堂からクリスマスイブに飛び降り自殺する」
という内容の手紙が、新聞社に届いた』
と言うもの。
この記事はすぐさま大問題となり、編集長は彼女を呼び出す。
彼女はこの現象を利用するべきと言って、
自分の復職とひきかえに、
架空のその手紙の主・ジョン・ドーを作り上げることに。
「ジョン・ドー」志願に来た、
元野球選手・ジョン(ゲイリー・クーパー)に、ジョン・ドーを演じさせて。
最初ジョンも、架空の人物になりきるのには否定的だったが、
毎日の豪華ホテルでの暮らし、大衆の関心、
そしてアンの美貌に、徐々に「ジョン・ドー」としての活動に積極的なっていく。
次第に遊説などのアンたちの活動は、多くの支持を受け始め、
アンも地元の有力者・ノートンに接近し、
ジョン・ドー運動は全国に広がっていくが・・・。



という社会派映画。
最近あんまりこの手の映画は見ないんですが、
まあ買ったので見ました。
噂のバーバラ・スタンウィックは、やはり美人さんでした。
結構最近の女優さんっぽい芝居をする人だなぁと思いましたね。
昔の女優さんというとどうしても、
「あら、やだ」とか、
「もう、おじさまったら」とか、
そんな感じが多いですが、
彼女はそんな感じではない印象を、
この映画を見る限り受けました。
舞台というよりテレビサイズという感じでしょうか。
たくましそうです。


一方、「ジョン・ドー」を演じるゲイリー・クーパー
不器用さがにじみ出た感じ。
このアンとジョンが中心に映画はまわっていきますが、
正直二人とも、完全に「正義」という感じでもないとこが、
私は人間的で好きです。
アンはもちろんですが、
ジョンにしても最初の動機は決して純粋なものではないので。


アンはだんだん「ジョン・ドー」活動に情熱を向けはじめます。
新聞記者という伝える立場として、あるいは人間として、
自分の意見を訴える絶好の機会でもあったのでしょう。
現にジョン・ドーのラジオ出演の際に、
彼女が書いたジョンの演説用の原稿は素晴らしいものです。
しかしそのスタートは、リストラによる腹いせから端を発した、
大嘘からはじまってます。


またジョンも、アンたちや周りの連中に振り回される立場であり、
一見被害者のように見えなくもないですが、
そもそもは金が欲しくてジョン・ドー役のオーディションに参加してたわけですし、
それに周辺の生活環境が変わる過程で、
親友である大佐の警告を聞き入れず、
本来の夢である「野球」のことなど忘れて、
どんどん運動に積極的になっていきます。
そして「教祖」のような存在となっている自分に、
誇りや自信すら抱くようになってきます。


このへんの2人の心理はとても興味深いです。
特にジョン・ドーの。
「周辺の環境が変わると、
自分にとって大事なものもどんどんかわっていく・・・、
それが錯覚だったり、幻だったとしても・・・」

というところでしょうか。
このジョンという人間が、実に一般的で、
庶民的だからこそ、そういうことを強く思ってしまいます。
逆にこれが金や権力に貪欲キャラだったら、
そこまで疑問も抱かないし、深く考えないんですけど。


まあそのあといろいろあって、
エンディングを迎えるわけですが、
(途中のストーリーはネタバレになるので自主規制します。)
このエンディング(特に最後の最後)に関しては、
私はちょっと納得がいきません。
ある意味いかにもアメリカ的な終わり方で、
「どうだ参ったか!」
って感じで終わるんですけど、
でも私からしたら、
「いやいや、そんなことは聞いてないから」
って気持ちになりました。


「道がわからなくなったから、
交番でどういう道順なのかを聞きたかったのに、
なぜかその行く先の素晴らしさについて語られた」
・・・、


極端に言えばそれくらいな感じです。
「ああ、これはアメリカ人の映画だったんだなぁ」
と、しみじみ我にかえるような、ラストのセリフでした。
私としてはですが。


とりあえず、
「言ってやった」
みたいなニュアンスのセリフでしたね。最後は。
志村けんで言うと、「だっふんだぁ」に相当しますね。



・・・いや、相当しません。そんなわけはないです。



で、それは残念だったわけですが、
その他の部分ではなかなかよかったです。
ジョンが、最初はお金目的でしたけど、
だんだん純粋な気持ちで活動をはじめていくあたり、
「個人とその周辺」
というものの関係について考えさせられる、そんな映画ですね。

「自分ってなんだろう。本当に自分は自分なのか。」

哲学ですね。哲学。
最初は好きじゃなかったりした仕事でも、
いろんな人にほめられたり、地位を得たりするうちに、
なんか好きになってくるようになったり、
しっくりしてきたりするじゃないですか。
ああいうことです。
『最初曲げを切った姿が不自然だった舞の海が、
今ではオールバックが自然に見えるようになった』ことと、だいたい原理は同じです


ちなみに、『ジョン・ドー』っていい名前です。
センスを感じます。わかりやすくて。
スローガンにしやすい名前です。
これが仮に、ピーター・ファンデン・ホーヘンバンドだったら、
おそらく台無しだったことでしょう。
ソープには勝てるかもしれませんが。

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コメント(2件)

内 容 ニックネーム/日時
いつもお世話になっております。
キャプラさん大好きなのだ〜
「いやいや!ちょっとちょっと!」って展開が私のツボを直撃してます。
感動と興奮のるつぼですよ!るつぼ!
群衆、お母様が見終わったら貸してくださいな。
キク
2006/04/10 10:42
ええ、貸しますとも。
今回私は初キャプラだったのですが、
いいらしいですねぇ。
『或る夜の出来事』って今度見てみようかなと思ってます。
uchi-a
2006/04/10 22:04

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