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<<   作成日時 : 2006/10/14 01:06   >>

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「立派じゃなくても運さえ良ければいい。」

・・・さあ、お待たせしました!
ついに本日、ウッディ・アレンの日本公開最新作、
『マッチポイント』を見ましたよ!
いやー、本当にお待たせしましたね、ファンの方。
待ってないですか?別に誰も待ってないですか?
『細かすぎて伝わらないモノマネ選手権』の、
くじらがやる○○スターシリーズの、
「お待たせしました〜」っていうしゃべりと同じくらい、
誰も待ってないですか?
でもやりますよ。誰も待ってなくても、やりますよ今日は。


『マッチポイント』
画像










ということで、アレンファンにとっての聖地、
恵比寿ガーデンシネマにて、ありがたく拝見してきました。
前回の『僕のニューヨークライフ』の時は、
不覚にも「まだやってるから今はいいか」などとずっと思っているうちに、
恵比寿での公開が終わってしまい、
仕方なく飯田橋のギンレイホールで見ることになってしまうという、
アレンファンにとっては大失態を演じてしまったんですが、
今回はちゃんと恵比寿で見れましたよ。ええ。
そして帰りにはプログラムも買ってやりましたよ。
もう参ったかって感じです。


さて、今回の『マッチポイント』、
今までのアレン映画とはちょっと状況が違う感じでの公開でした。
いつもなら、「ああ、またぐだぐだで神経質な男が出てくるんだろうなぁ」と、
内容に関してだいたい察しがついていたんですが、
今回はだいぶいつもと違うテイストとの評判。
しかも舞台が、アレンの代名詞とも言えるニューヨークを離れロンドンとなり、
さらに出演しているスカーレット・ヨハンソンが、
濃厚なラブシーンを演じて話題ということで、
今回は期待と不安が入り混じって、
ちょっとドキドキな感じで見に行きました。


クリスはアイルランド人のプロテニスプレーヤー。
ツアーに参加していたが限界を感じ、
レッスンプロへの転向を決意する。
テニスクラブに入ると、会員である上流階級のトムと出会う。
2人はオペラという共通の趣味を通して交流を深め、
やがてクリスはトムの妹であるクロエと交際。
さらにクロエの口ぞえで、クロエの父親の会社の重役となり、
クリスとクロエは結婚することに。
おかかえ運転手もついて順風満帆のクリスなのだが、
問題はその間に、クリスがトムの婚約者・ノラに出会ってしまったこと。
クリスはノラの挑発的な美しさに魅了され、ついに2人は愛人関係となってしまう。
その後、子供を欲しがるクロエだったが、
2人の間になかなか授かることがなく、その上ノラはトムと破局・・・。
自体はさらに複雑なものとなっていって・・・。



ということで見終わっての感想ですが、
やはり噂どおり、今までのアレンの映画とは一線を画している感じはあります。
しかし、それでも随所随所にアレンらしいエスプリが入っていって、
その点ではやっぱりアレンはアレンだなという感じ。
そしてなにより、主人公がやはりアレンの映画的なキャラでした。


主人公のクリス(ジョナサン・リース・メイヤーズ)はストーリーの中で、
「ヘンマンやアガシはどうだった?」みたいにトムに質問されていることから、
かなり選手としても頑張っていた様子。
(ティム・ヘンマン、アンドレ・アガシとも実在の一流選手なんですよ。)
さらにクロエの父の会社での仕事ぶりも文句ないということで、
かなりできる人な感じです。
「スポーツもできて、仕事もできる」となれば、
一見かなり理想的な男なんですが、
でも実際はというと、結構人や社会にあわせるタイプというか、
「自分がない」というタイプに、映画を見ているうちに映ってきます。
このへんがアレン映画の主人公って感じですね。
そんな奴なんですが、にもかかわらず、
すべてをうまい風に持っていこうというか、
無意識のうちに欲望を全部満たそうとしている感じで、
結果クロエとの関係もノラとの関係も中途半端にずるずるしてきて、
物語はどんどんややこしくなって、
最終的に彼らはえらいことになっていきます。


そうです。どんどんえらいことになっていくんです。
ここでいつものアレンなら、「えらいこと」と言っても、
「やれやれ、またまたこんなになっちゃって。しょうがないなぁ」
って感じでほほえましかったりするんですけど、
今回はそうはいきませんよ。そんなんじゃすみません。
後半はもうドキドキで、苦しくなってきますから。
もうスクリーン見ながら、「あわわわ。あわわわ。」って思ってしまいました。


主要な登場人物の人間関係とそれぞれの性格ですが、
この映画を彩っているのは主に4人
それぞれ四者四様でなかなか面白いです。
まずクリスはさっきも言ったとおり、できる男なようでいて、
人に合わせてしまうタイプ&自分の欲望のまま動いてしまうタイプ。
そしてその妻・クロエは、かなり保守的で現実的な性格。
それでいて結構単純だったりするタイプなようです。
その兄・トムは、いかにもお金持ちの御曹司という感じ。
逆にその婚約者でクリス愛人になっていくノラ(スカーレット・ヨハンソン)は、
タバコを吸い、女優をめざしているセクシーなアメリカ人で、
イギリスの上流階級の中ではかなり異質な存在。
この4人の性格と性格の衝突が、いろんな出来事を発生させていきます。
この物語の本筋はこれでしょうね。
いろいろな組み合わせとその2人の展開・対比を考えて、
それぞれ観察してみるとなかなか面白いです。


『クリスとトム』
 アイルランド人テニスプレーヤーとイギリスの金持ち。新鮮な関係。
『クリスとクロエ』
 元スポーツ選手と単純な箱入り娘。憧れ。
『クリスとノラ』
 本能的・刹那的な男と官能的な美女。衝動的な展開。
『トムとクロエ』
 理想的な兄妹。
『クロエとノラ』
 正反対な魅力。


画像こう見てみてわかったんですが、
さっき、「クリスは自分がない」と言いましたけど、
いろんな行動への出発点に強い意志を感じないと言うか、
すべて最初は「なんとなく」「惰性」で動いてる感じなのかもしれません。
で、別にそれは悪くはないと思うし、
アレンも否定はしてないと思うんですけど、
それでいて自分の欲望は抑えられないでいるんで、
そっから話がややこしくなってるんですね。そんな気がしてきました。
あとトムはノラと婚約を解消するわけですが、
あのへんの流れはクリスの状況と似ていたりしてます。
でも状況は似てますが、展開はクリスとは違う感じ。
このへんの対比も面白いですね。


という感じで、いろんなことが起こるんですが、
その他にもうひとつ、この映画の大事な要素に、

『運』

があります。
これはこの映画の最大のテーマであることは誰が見ても明らかです。


まず、この映画を語る上で、もっとも大事で印象的な言葉があります。
それは、いつものように黒バックの白文字でスタッフロールが流れて、
それが終わった直後の最初のシーンのナレーション、


ボールがネットの上に当たってはずんで、
ツイてる時には向こう側に落ちて、勝つ。
ツイてない時はこっち側に落ちて、負ける。



これは映画全般においてかなり影響力を持つ言葉となってきます。
この言葉が最後までいろんな形でフリになっていきます。
つまりは、「世の中は運で溢れてるよ」ってことなんですが、
そんな説明だけじゃないんですね。この言葉の意味は。
もう「アレン様、恐れ入りました」って感じです。うますぎです。
もう道場六三郎並の技を感じます。
「どんだけ隠し味いれてるんだよ!」って感じです。
詳しくはご覧になってくださいね。おほほほ。
ちょっと恵比寿らへんのマダムっぽく笑ってみました。


映画の中では、アパートのおばちゃんなんかも運・不運がありますし、
見た人だけわかるように言えば、途中で出てくるあの『指輪』についても、
文字通り運・不運、向こう側かこっち側かって感じで、
いろんなところに運・不運がつきまとってきます。
そしてクリス自身も、単純にテニスプレーヤーとしての経験から、
映画の最初の方で、

「努力も大事だが、運をバカにしちゃいけない」

みたいに言っています。
この言葉も思い返してみるとすごいです。
「ウッディ・道場・アレン、おそるべし・・・」って感じです。


あと、もうひとつ『運』について、

「立派じゃなくても、運さえ良ければいい。」

という言葉が出てくるんですが、
この言葉を誰がどの場面で言うのか、
これから見ようという方は注目してみてください。
これもうまいです。川相のバント並に。


他にもいろいろチェックポイントがあります。
でも詳しくは言えないですけどね。
相変わらずの見どころ・味わいどころ満載で、
本当は「あそこはどう」とか「あの場面はどう」とか全部言いたいんですけど、
全部言うと台無しになるんでね。
まぁ言えるところだけ言いますと、
主要人物が集まって映画を見に行く時、
見に行った映画が、『モーターサイクルダイアリーズ』だったりするところとか。
アレンの映画では劇中に実際にある映画の名前とかがよく出てくるんですが、
こんなに最近の映画の名前が出てきたのは初めてですね。
まだ見てないですけどね、『モーターサイクルダイアリーズ』は。
このへんも心境の変化でしょうか。
あとベタなところでは、クリスがドストエフスキーの『罪と罰』を読んでいるシーンで、
『罪と罰』を読んだ後に、
タイトルが『ケンブリッジ式・ドストエフスキー入門』なる本を読んでいるところ。
これはアレンっぽいですね。
このクリスというキャラクターの性格もよく現れてます。


ということだったんですが、
全体の印象としては、かなりドキドキな映画でしたね。
こんな気持ちになったのは、アレン映画では初めてかもしれません。
私はこの映画を見終わった時、
最後の方はあの映画とダブって見えてきてしまいました。
その映画とは、マット・デイモンやジュード・ロウや、
グウィネス・パルトロウが出てたあの映画なんですけども、
あの映画にすんごい雰囲気が後半似てきてました。
そのへんはプログラムに寄稿している人の文章にも書いてあったんですが、
意図的なものか、自然にそうなったのかはどうでもいいこととして、
すごくそれと似たような、ガケから落ちる寸前みたいな、
そんな切迫感がありましたね。
後半、震えて泣いているクリスとか見ると、
本当に「あわわわわ」な感じでしたよ。


ってな感じで、いつもとはちょっと違う感じなので、
アレン好きじゃない人でも、逆に結構楽しめるは楽しめるんではないでしょうか。
それでいてアレンファンも充分満足できると思います。
ちなみに公開前、この映画の一番の呼び物(?)となっていた、
スカーレット・ヨハンソンの大胆セクシーシーンですが、
かなりすんごいものを覚悟して見に行ったせいか、
いざ見てみたらそうでもなかったでした。
もしかしたら日本用にちょっと編集してあったりしたんでしょうか。
そんなに騒ぐほどのシーンはなかったと思います。
ただエロエロなムードはよく出てましたけどね。


そんな感じで、長々とありがとうございました。
興味をもたれた方は、是非ご覧くださいな。
ちなみに今日行った限りでは、結構いい感じに空いておりますんで。


画像












*次回のウッディ・アレン映画・『scoop』もスカーレット・ヨハンソンです。



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内 容 ニックネーム/日時
こんにちわ。
いきなりごめんなさい。
実は、エディタっていうブログを登録して
自分の好きなジャンルのメディアをつくることができるツールがあって
僕は「映画」についてのメディアを作ろうと思うのですが、
ぜひ登録させていただけないでしょうか。
絶対に悪用したりしません。
http://www.edita.jp/
これがエディタです。

もしOKでしたら、shimizu@aainc.co.jp
までご連絡していただけるとうれしいです。

よろしくお願いします!!
いきなりすみませんでした。
清水
2006/10/29 16:43

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